《最新版 2025年》日本のコミュニケーションスクール事情|話し方講座・企業研修・オンライン講座の今

コミュニケーション講座や話し方教室
目次

日本のコミュニケーションスクール事情 2025年版

こんにちは、松本えるおーです!

今回は、同業や競合の動向が気になる方に向けて、日本国内におけるコミュニケーションスクールの現状や市場の傾向について、わかりやすく解説したいと思います。


スクール・教室・団体の数と規模

🔢 コミュニケーションスクールはどれくらいある?

正確な数を示す公的データはありませんが、大手の「ストアカ」では、コミュニケーション系講座が約800件以上公開されており、民間スクールは全国で数百〜数千教室規模と推測されます。

さらに、「日本話し方センター」では累計30万人、「日本コミュニケーション学院」では9万人超が受講しているという実績も。これらの実績から見ても、全国規模で数十万人以上が学んでいる分野といえるでしょう。


日本全国で「話し方教室」や「コミュニケーションスクール」と称される民間スクール・講座は数百~数千規模に上ると考えられます。正確な登録数を示す公的データは存在しませんが、いくつかの指標からその規模を推測できます。

例えば、大手スキルシェアサービス「ストアカ」にはコミュニケーション関連の講座が全国で約839件も掲載されており、非常に多くの教室・講座が乱立していることが分かります。

また、長年実績のある老舗スクールも存在し、日本話し方センター(1953年設立)は累計で「30数万人」にのぼる受講生を輩出してきました。同様に日本コミュニケーション学院(東京)も約9万人の受講実績を持つとされています。

これらの数字から、全国規模では民間のコミュニケーション講座受講者は少なくとも数十万人規模に達していると推測できます。

なお、公的統計には外国語会話スクール(いわゆる英会話教室)の事業所数が9,896か所(2015年時点)との調査もありますが、これは語学分野の例であり、話し方や対人スキル講座のみの数は明確に示されていません。

オンラインスクール・講座の普及状況

💻 オンライン講座の拡大と今の傾向

コロナ禍以降、Zoomを使ったオンライン講座が爆発的に増加。特にストアカでは、2020年以降オンライン形式が主流となり、受講者の86%がオンライン講座の継続受講に前向きという調査結果も出ています。

現在は、オンラインと対面のハイブリッド運用が主流。目的に応じて選べる時代に変わっています。

オンライン講座の割合は近年急増しています。従来は対面教室が中心でしたが、2020年のコロナ禍以降、Zoom等を活用したオンラインレッスンが一気に普及しました。

ストアカでも2020年にオンライン講座を解禁して以降、オンライン形式の講座が急増し受講件数が大幅に伸びたと報告されています。実際、ストアカでは現在約500ジャンル・8万件もの講座を掲載しており、料理や占いからビジネスコミュニケーションまで幅広いオンライン講座が人気です。

コミュニケーション系講座も例外ではなく、オンライン話し方教室オンラインコミュニケーション練習会が多数開催されるようになりました。

ユーザー調査でも、緊急事態宣言解除後も約86%がオンライン講座の継続受講に前向きという結果も出ており(2021年3月)、オンライン学習へのニーズは高いです。

もっとも、2023年以降は対面ニーズも戻りつつあり、ポストコロナでは対面受講者も再増加傾向にあります。現在は受講者が目的に応じてオンラインと対面を使い分ける傾向があり、オンライン専門のスクールと従来型教室が共存する状態です。

法人向けコミュニケーション研修の事業者動向

🏢 法人研修のマーケットも拡大中

矢野経済研究所によると、日本の企業向け研修サービス市場は約5,600億円規模(2023年)

この中でも、コミュニケーション研修は中核領域であり、

  • インソース
  • アナウンサー系のKEE’S
  • モチベーション&コミュニケーション社 などが主要プレイヤー。

管理職や新人研修で、ユーモア、傾聴、リーダーシップに関する講座が増加中です。

企業の人材育成においてコミュニケーション研修は重要度を増しており、それを提供する事業者も多様化・専門化しています。

近年の調査では、国内の企業向け研修サービス市場は2023年度で約5,600億円規模に達し、前年度比4.3%増と成長を続けています。中でもコミュニケーションやソフトスキル研修がその大きな割合を占めるとされ、人的資本経営の重視と相まって需要が堅調です。

法人研修を手掛ける主な企業としては、大手研修会社(例:インソース、日本能率協会マネジメントセンター等)、専門スクール系(例:モチベーション&コミュニケーション社、KEE’S(アナウンサー講師による話し方研修)等)、企業系列(例:ANAビジネスソリューション、SMBCコンサルティングなど)やオンライン研修企業(例:Schooやアガルートの法人研修)まで幅広く存在します。

老舗の日本話し方センターやアナウンサー系スクールも企業研修メニューを用意しており、人前でのスピーチ指導から社内コミュニケーション活性化研修までニーズに応じて提供しています。

総じて、社員の対人スキル向上や離職防止を目的に研修を導入する企業が増えており、研修プログラムも新人向けから管理職向け、さらに異文化コミュニケーションやオンライン時代の対話術まで細分化・高度化する傾向にあります。

講座ジャンル別の分布と人気動向

📚 人気の講座ジャンル別の特徴

ジャンル特徴
話し方・スピーチあがり症克服・発声・滑舌・人前で話す力
営業・プレゼン商談力・ロジカルトーク・資料の話し方
恋愛・雑談初対面・雑談スキル・婚活支援
ビジネス対人関係報連相・部下との接し方・チームビルディング

コミュニケーション講座にも様々なジャンルがあり、対象や目的によって傾向が異なります。代表的なジャンルごとの特徴は以下の通りです。

  • 話し方・スピーチ系: 人前でうまく話せない人やあがり症克服を目指す人向けの講座です。歴史的にも古くからあり、発声法・滑舌・スピーチ構成など基礎から指導する教室が多いです。著名な話し方教室では政治家や経営者も受講するなど裾野が広く、創業70年近い日本話し方センターでは全国主要都市でセミナーを開催し延べ30万人以上が学んだ実績があります。話し方講座は個人受講のほか、企業の新人研修や管理職研修でもプレゼンテーションスキル向上目的で取り入れられています。
  • 営業・プレゼンテーション系: ビジネスコミュニケーションの中でも商談力や発表力に特化した講座です。営業トークの組み立て方、報連相(報告・連絡・相談)の効果的な伝え方、プレゼン資料の話し方など、実務ですぐ役立つスキルを学べる研修が多く、企業からの需要が高い分野です。例えばストアカには「報連相やプレゼンで『何が言いたいの?』と言わせない説明術」といった具体的ニーズに応える人気講座も掲載されており、受講者から高評価を得ています(レビュー数が数百件に上る講座もある)。営業・プレゼン系講座は主に法人研修やビジネスパーソン向けセミナーとして提供され、ロジカルシンキング傾聴スキルと組み合わせた総合研修も増えています。
  • 恋愛・雑談・対人コミュニケーション系: 恋愛や日常会話におけるコミュニケーション力向上を目的とした個人向け講座です。婚活中の方向けに異性とスムーズに会話するコツを教えるものや、初対面でも雑談が続くようになるトレーニングなど、プライベート寄りのニーズに応えています。例えば、元アナウンサーが指導する「婚活応援レッスン」では、短時間で印象良く自己紹介・会話するテクニックを習得させる内容が提供されています。ストアカでも「婚活・恋愛会話」のカテゴリで講座が開かれており、ココナラでも恋愛相談や会話練習のサービスが見られます。こうした講座は20~40代の個人に人気があり、自分に自信を持つための自己啓発として受講するケースも増えています。
  • ビジネスコミュニケーション・対人スキル系: 職場における対人関係力全般を高める講座です。上司・部下とのコミュニケーション、チームビルディング、リーダーの伝達力、あるいは異文化コミュニケーションまで範囲は広範です。企業向け市場ではこのジャンルが最も裾野が広く、ソフトスキル研修市場全体で約3,000億円規模(2024年推計)とも言われる中核領域です。実際、企業研修サービス市場5,600億円の中でコミュニケーション関連研修やコーチングが大きな割合を占めていると分析されます。具体的な研修例としては「職場のほめ方・叱り方研修」「傾聴力向上研修」「ファシリテーション研修」「アンコンシャス・バイアス研修(多様な社員とのコミュ力)」など多彩です。コロナ以降はオンライン下でのコミュニケーションやハイブリッド勤務時代の対話術といった新テーマも登場し、研修内容は時代に応じて進化しています。さらに、コーチングやカウンセリング要素を取り入れたプログラムも人気で、日本のコーチング市場規模は約300億円(2019年)ですが今後大きな伸びしろがあると指摘されています。

各種プラットフォームでの講座提供状況

🧑‍💻 どこで学べる?主なプラットフォーム

  • ストアカ:日本最大のスキルシェア。登録者147万人以上。講師5万人以上。
  • Udemy:21万以上の動画講座、プレゼンや会話力も人気。
  • ココナラ:雑談トレーニングや1on1の話し方指導が気軽に可能。

コミュニケーション系の講座やサービスは、対面教室だけでなくオンラインプラットフォーム上にも多数出店されています。主要プラットフォームの状況は以下の通りです:

  • ストアカ(ストリートアカデミー): 日本最大級のまなびのマーケットで、累計受講者数147万人・講師登録数5万人超を抱えます。コミュニケーション関連はストアカ内でも人気ジャンルの一つで、検索すると800件以上の講座がヒットします。オンライン開催の講座も多く、「話し方」「雑談力」「ビジネスコミュニケーション」等のキーワードで多数のレッスンが見つかります。ストアカの強みは手軽に単発受講できる点で、受講料も1回あたり数千円程度からと利用しやすく、社会人の自己啓発や副業講師の活性化に寄与しています。
  • Udemy(ユーデミー): 米国発のオンライン学習プラットフォームで、日本市場にも参入しています。Udemy全体では21万本以上の動画コースが公開されており、ビジネススキルカテゴリの一つとしてコミュニケーション講座も多数存在します。世界全体で見ると「コミュニケーションスキル」カテゴリのコースは1,144本以上あり、300万人以上が受講しています。日本語で受講できる講座数はこれより少ないものの、ビジネスコミュニケーションや対人スキルに関する良質な講座が数十本以上提供されています。Udemyはオンデマンド動画による自己学習型が中心で、忙しい社会人が好きな時間に学べる点が支持されています。ベネッセと提携したUdemy日本サイトでは、プレゼン術や対人関係スキルの人気講座が紹介されており、企業内教育への導入例も増えています。
  • ココナラ: スキルのフリーマーケットと呼ばれるプラットフォームで、個人がオンライン相談やコーチングサービスを出品しています。話し方・コミュニケーション分野でも多くの出品が見られ、例えば「プレゼンの話し方」で検索すると約193件ものサービスがヒットします。内容は、元アナウンサーや話し方講師によるマンツーマン指導、話し方のフィードバック、雑談の練習相手など多岐にわたります。価格帯は30分~1時間程度のオンラインレッスンで数千円からと手軽で、利用者はピンポイントの悩みに応じて専門家からアドバイスを得られるのが魅力です。ココナラのようなCtoCプラットフォームにより、従来は地域の教室に限られていたサービスが全国どこからでも受けられるようになり、コミュニケーションスキル習得のハードルが下がっています。

📊 公的なデータと統計は?

最後に、公的機関や調査会社のデータについて言及します。

  • 矢野経済研究所:企業向け研修市場 5,600億円超
  • コーチング市場:約300億円(2019年)
  • ストアカ:8万件以上の講座登録、オンライン対応済

残念ながら「話し方教室」や「会話講座」だけの公的統計は存在しませんが、次のような指標で代替できます:

政府統計には直接「コミュニケーション教室産業」を対象としたものはありませんが、関連する企業向け研修市場については矢野経済研究所やStatistaなどが詳しい調査を行っています。

矢野経済研究所の最新調査(2024年)によれば、前述の通り企業研修サービス市場は2024年度に5,800億円規模に達する見込みで、人的資本経営の潮流を背景に今後も緩やかな成長が続くと分析されています。この中でソフトスキル研修(コミュニケーション研修を含む)は市場の中核を占め、2033年まで年平均成長率10%以上で拡大するとの予測もあります。

信頼できる統計データこそ限られるものの、以上のような調査結果やプラットフォーム動向から、日本におけるコミュニケーションスクール市場は個人ニーズ・法人ニーズ双方で拡大傾向にあり、対面・オンライン両面で活況を呈していることが分かります。

参考資料: 矢野経済研究所「企業向け研修サービス市場に関する調査」(2024)、ストアカ公式発表・データ、各プラットフォームの公開情報など。

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