タイトル:ウケる!トーク術
著者:田中イデア
発行所:株式会社リットーミュージック
読もうと思ったきっかけ
自分で話をしていて、しりつぼみになったり、「オチ」がないと言われることが多くて、さらっとエピソードトークをして笑いが取れる人も羨ましかったです。
エピソードトークができると、会話が弾むのだろうし、飲み会でも肩身の狭い思いをしなくて済むな〜と思っていました。
テレビのすべらない話を見て、なぜ面白いのか?どんな構造になっているんだろう?と不思議でした。
言い方とか勢いといった表現の部分意外にもっと本質的な核となるようなものあると思っていたのです。
何かしらの法則というか型はあるんだろうなと思ってはいたのですが、それが何なのかはぼんやりしていてわかりませんでした。
自分で作ってみても、面白くなっているのかジャッジができませんし、誰かに話すにしてもすべったら嫌なので実践もできません。
そんな中、エピソードトークの探し方、作り方、話し方の全てがわかる本書を見つけて、僕の求めていたものだとピンときて即買いしました。
読後感想
いざ、エピソードトークを言おうと思っても、どのように話していいかわりません。
話の流れは言えるけど、どのような構成で話せば笑いが生まれるのかもわかりません。
そもそも、人前で話すこと自体が緊張して難しいレベル。
本書はそういう悩みを持っている人にうってつけです。
著者が元々引っ込み思案で人見知りだったこともあり、話すときの緊張のほぐし方というスーパー初歩の段階から始まります。
著者が教鞭を取られている東京アナウンス学院で行っている授業の中で実際に出てきた生徒さんのエピソードトークを元になぜよくないかという受けない理由や添削後のエピソードトークの事例が載っており、自分でエピソードトークを作るときにとても参考になります。
自分の中で、エピソードトークの型を作りたいと思っている方は必読書です。
ポイント3つ
僕が読んでためになったポイントを3つお伝えします。
1.フリとオチの考え方
2.登場人物を演じる
3.オチは1つじゃない、見方によって変わる
1.フリとオチの考え方
「オチ」ってなんなんだろうと漠然と思っていましたが、この本に載っていたフリとオチの概念図をみて一気に理解ができました。
エピソードトークは「緊張と緩和」という構造になっていて、フリが緊張でオチが緩和という風に考えるとわかりやすかったです。
そして、オチを引き立たせるのはオチそのものではなく、「フリ」だということがわかったのも収穫が大きかったです。
これは僕以外でも心当たりのある人がいると思いますが、何か面白いことがあったとき、そこのみをクローズアップしてしまい周りの人に面白さが伝わっていないと思うことないでしょうか?
オチだけ見せられても落差がわからない、フリも同時に見せることによってオチが効いてくる。
スマホの5Gが早いと言われても、5Gしか見せられなかったらこんなもんだろと思うけど、4Gの速さも見せて比較されたときに初めて5Gがどれだけ早いか理解できる。みたいな感じです。
この場合5Gがオチで4Gがフリになります。5Gが早いということがわかる基準を設けるのが「フリ」ということになります。
2.登場人物を演じる
話していて、感情を入れるのが苦手だったのですが、登場人物になってセリフを言うという手法を使うと簡単に感情の入った話し方ができたので、すごく感情を表現するのが楽になりました。それまでは第三者的なコメントで何かよそよそしい感じのトーンになりがちだったのですが、登場人物になり切ることで吹っ切れる感じがでてよかったです。
3.オチは1つじゃない、見方によって変わる
この考え方もためになりました。
これは本の中に載っていた「調子乗りの友達」というエピソードトークです。
トイレットペーパーをぐるぐるまきにした友達が、掃除の時間にロッカーの中に隠れて友達を驚かそうとしたら、先生がロッカーを開けたという内容なのです。
この話は出来事としては1つのなのですが、ロッカーの中に入っていた友達視点のオチと先生視点のオチで1つの出来事からエピソードトークが2つ生まれるという内容です。
この場合、友達視点だったら、先生にふざけてないで掃除しろ!とビンタをくらったというオチ。
もう一つはちょっと脚色して、先生視点だったら、ビックリして、オカマ声を出して腰を抜かしたというオチ。
すごくないんですか?1つの出来事で2つもエピソードトークができるなんて。なるほどー!と思いましたね。
概要
一人っ子で引っ込み思案だった著者。
他人と話すことが苦手で相手が初対面の時などは特に何を話せばいいのか分からなくなり沈黙して来ません雰囲気が流れることも多々ありました。
そんな中、放送作家、ライターと言う仕事につき、お笑い芸人さんと一緒になる機会が増えてきました。
そこで彼らのトークの素晴らしさに感動して、その特徴をまとめていくうちに、ある共通点が出てきました。
この本にはその特徴を、出来る限りわかりやすくまとめたものです。
数年前までの著者はかなりの人見知りで自分に自信などありませんでした。とのこと。
会議や打ち合わせの場では、意見を言うのが怖くて、下を向いて考えているふりをしたり、ノートを開いてメモをとっているふりをしたりして、自分の気配を消していた。
それは飲み会の場でも同じでした。
自分が話すことで、滑って傷つくのを恐れて、ひたすら相槌を打って聞き役に徹したり、みんなのドリンクを注文する役を買って出たりして盛り上がりの場から外れようとしていました。
でも受けるトーク術を身に付けたことによって、著者の人生がガラッと変わりました。
会議などでも笑を入れながらプレゼンですができるになりましたし飲み会の場でも話を聞きたいと言って注目してもらえるようになったのです。
話しても聞き手もどちらも幸せになる。
これが「ウケる!トーク術」ならではの最大のメリットです。
第1章…ウケるトーク術で人生が変わる
エピソードトークとは「ある人物やある物事に関する興味深い話」のことです。
ウケるトーク術を身に付けるとこの自分をさらけ出すトークができるようになります。
トークができるようなると自分に自信が持てます。自分に自信が持てるようになると人前で話すことがくにならず、かえって話したくなってきます。
第2章…あなたのトークはなぜ受けないのか?
トークがウケないには以下の4つの理由があるとされています
①自分の気持ちに原因がある、②話の内容に原因がある、③話の組み立てに原因がある、④話の伝え方に原因がある
第3章…まずはハートを強くする!
人前で緊張しないためにまずは人の視線に慣れましょうそして知らない人と話すことに慣れましょう。
第4章…ウケるトークの探し方
フリを意識したトークとは何か?ネタの探し方がわかります。
第5章…ウケるトークの作り方
5W1H1Dで話をまとめる、起承転結にそって肉付けするなど、話をうまくまとめるための手法について書かれています。
第6章…ウケるトークの話し方
比喩や擬態法、登場人物を使い分けたりすることなど伝える技術について書かれています。
第7章…実践!ウケるトーク
実例の出来事の元ネタをエピソードトークに仕上げてゆく過程を知ることができます。
第8章…もっとウケるために
エピソードトークを話す前後にも笑いが取れるチャンスがあります。もっとウケる技術を知ることができます。
まとめ
エピソードトークに関して学ぼうと思ったら、これ1冊で十分です。
それくらい、内容が濃くて、初心者からプロの芸人さんまで活用できる本です。
自分の話に自信がない人に読んで欲しいです。すごくためになることがたくさん書いてありますよ!