「そろそろ仕事に戻りたい。でも、ここで話を終えたら感じが悪いかな」
職場の雑談で、こんなふうに迷うことはありませんか。
話しかけるのも難しいですが、終わらせるのにもタイミングがいりますよね。相手が楽しそうに話していると、うなずきながら時計が気になってしまうこともあるでしょう。
職場の雑談を切り上げるときは、「相手の話を一言受け止める」「自分がこれからすることを伝える」「短く挨拶する」という順番を試してみてください。
たとえば、「そのお店、気になります。僕はそろそろ資料作りに戻りますね。教えてくれてありがとう」。これくらいでも、話を聞いたことと、今は終えることを一緒に伝えられます。
この記事では、同僚や上司との雑談で使える7つの例文と、話が続くときの対応を紹介します。会話例は説明のために作成したもので、僕や受講者の実際のやり取りではありません。
職場の雑談は、短いやり取りで終えても大丈夫
「雑談ができる人は、いつまでも話していられる人」
そんなイメージがあると、会話が止まりそうになるたびに、次の話題を探したくなるかもしれません。
ただ、職場には作業の時間も、会議の予定もあります。少し話して「では、また」と離れる場面があって自然です。相手との関係によっては、長く話し込むより、短いやり取りを重ねるほうが気楽なこともありますね。
僕は、会話を続けることばかりに気を取られず、お互いの時間も見ながら話せるといいと思っています。今日の雑談を終えたからといって、次に話しかけてはいけないわけでもありません。
声をかけるところから知りたい方には、関連記事「職場で心の距離を縮める5つの雑談テクニック」もあります。この記事では、そのあとの「どう終えるか」を見ていきましょう。
雑談を終わらせるときの、三つの伝え方
1.今の話に短く反応する
急に「じゃあ」と言いにくいときは、直前の話に一言返してから区切ってみてください。
「それは楽しみですね」
「そのお店、気になります」
「なるほど、そういうことだったんですね」
長い感想を考える必要はありません。実際に感じたことを短く伝えれば十分です。
ここで「それで、その後は?」と新しい質問を足すと、また話が広がります。続きが気になっていても、今は終えたいなら、質問を増やさず感想で返す方法があります。
会話を広げる聞き方については、「話を聞いた後の返しが思いつかないときの考え方」で紹介しています。時間があるときには広げ、戻りたいときには区切る、と使い分けてみてください。
2.自分がこれからすることを伝える
「忙しそうですね」と相手の状況を推測するより、「僕はこのあと会議なので」と自分の予定を伝えると、終える理由が分かりやすくなります。
特別な用事がなくても、「そろそろ作業に戻ります」で構いません。切り上げるために、架空の電話や会議を作らなくて大丈夫です。
細かい事情まで説明しようとすると、その説明から次の会話が始まることもあります。理由は一言くらいにしておきましょう。
3.挨拶を添えて、実際に区切る
「では、またあとで」
「教えてくれてありがとう」
「それでは、失礼します」
終わりの言葉を伝えたら、席に戻る、歩き始める、オンライン会議から退出するなど、言葉に合う行動へ移ります。
「戻りますね」と言ったあともその場に立ち続けていると、相手には、まだ話せるように見えるかもしれません。慌てて逃げるように離れる必要はありませんが、終える意思は言葉と動きの両方で伝えてみてください。
場面別・職場の雑談を切り上げる7つのフレーズ
1.同僚とランチの話をしたあと
同僚「駅前のお店、日替わり定食がおいしかったですよ」
自分「日替わりもあるんですね。今度の候補にします。僕はそろそろ作業に戻りますね。教えてくれてありがとう」
話の内容に反応してから、仕事に戻ると伝える形です。もう十分話したと感じたら、ここからお店の場所や値段を全部聞き切らなくてもいいでしょう。
2.休憩を終えて席に戻るとき
「ちょうどいい気分転換になりました。そろそろ席に戻りますね」
休憩を終えるときは、自分の区切りを伝えます。「そろそろ戻りましょうか」と言うと、相手にも一緒に戻るよう促す形になるので、自分だけ戻りたい場面では言い方を分けると使いやすくなります。
3.上司の雑談から仕事に戻りたいとき
「そのお話、意外でした。すみません、午後の打ち合わせの準備に戻ってもよろしいでしょうか」
上司との関係や職場の雰囲気に合わせて、少し丁寧に伝える例です。準備が必要なら、その予定をそのまま言葉にします。
この言い方なら必ず切り上げられる、というものではありませんが、ただ時計を見るより、戻る必要があることを伝えられます。
4.自分から部下に話しかけたとき
「そういうお店なんだね。教えてくれてありがとう。作業中に声をかけちゃったね。僕も仕事に戻るよ」
上司から声をかけた場合、部下は自分から終わらせにくいこともあります。返事があるからと、いつまでも続きを求めず、こちらから区切る方法も持っておきたいですね。
「今、少し話しても大丈夫?」と最初に聞くこともできます。ただし、断りづらい立場の相手だという点は忘れずにいたいところです。
5.廊下やエレベーター前で立ち話になったとき
「それはよかったですね。僕はこのあと会議なので、ここで失礼します。また」
移動の途中なら、行き先や予定を短く伝えます。「また」のあとに、新しい話題を付け足さないのもポイントです。
「そういえば、もう一つ」と自分から話を再開すると、会議に向かうつもりだったのに、また立ち話が続いてしまいます。
6.オンライン会議のあとに雑談が続いたとき
「皆さん、お話ありがとうございました。僕は次の作業に移るので、ここで退出します。お疲れさまでした」
オンラインでは、その場を離れようとする動きが伝わりにくいため、退出することを言葉にすると分かりやすくなります。
ただ、業務上の確認が残っている場合は、雑談だと思い込んで切り上げず、必要な確認を済ませてから退出しましょう。
7.相手の話が途切れず、予定の時間が近づいたとき
「お話の途中ですみません。このあと予定があるので、今日はここで失礼します」
一つの話が終わるまで待っていると、次々に話題が続く場合もあります。そんなときは、短い間ができたところで、途中であることに触れながら区切ります。
「続きはまた聞かせてください」は、本当にそう思うときだけ添えれば大丈夫。終えるために、守れそうにない約束を増やさなくても構いません。
「もう少しだけ」と話が続くときは、区切りをもう一度伝える
「そろそろ戻ります」と伝えても、「そうそう、それでね」と話が続くことがあります。
そんなとき、前より詳しい理由を探し始めると、説明が長くなってしまいます。必要なら、同じ区切りをもう一度、落ち着いて伝えてみてください。
「すみません、いったん仕事に戻りますね。今日はここで失礼します」
急ぎの予定があるなら、そのまま行動に移って構いません。一回で伝わらなかったからと、相手の話を否定したり、嫌味を言ったりする必要もないでしょう。
ただし、話の内容が業務上の相談や深刻な困り事に変わっている場合は、雑談と同じ調子で扱わないようにします。今すぐ対応が必要か、別の時間に話せるかを確認して、仕事として扱う時間を分けてください。
終わり際に無理に笑いを取ろうとしなくていい
「もう十分しゃべりましたね(笑)」
「その話、長いですよ(笑)」
冗談のつもりでも、相手の話し方を評価する言葉に聞こえることがあります。特に立場が違う相手には、笑って返してくれたから大丈夫、と決めないほうがよさそうです。
ユーモアを添えるなら、相手を急かしたり、からかったりしない形を選びたいところ。ただ、切り上げ方に慣れるまでは、普通に「ありがとう。また」と言えるだけでも十分です。
最後に面白い一言を置こうとすると、そこからまた会話が弾むこともありますよね。仕事に戻る場面では、分かりやすい挨拶で終えることもできます。
まずは、自分が言いやすいフレーズを用意しておく
七つのフレーズを全部覚えなくても、よくある場面に合う言い方を一つ選んでみてください。
「教えてくれてありがとう。そろそろ作業に戻りますね」
声に出してみて、普段の自分の話し方に合わなければ、「じゃあ、僕は戻るね」などに変えてみます。丁寧さは、相手との関係に合わせればいいでしょう。
雑談を始めること、少し広げること、ちょうどいいところで終えること。その一つずつに、使える言葉があると気持ちもラクになります。
次に「そろそろ戻りたいな」と思ったら、相手の話に一言返して、自分の予定を短く伝えるところから試してみませんか。
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