京大卒芸人が教えるスベらない話し方のコツがわかる本

スベらない話し方のコツ

タイトル 京大卒芸人が教えるスベらない話し方
著者 夏川立也
出版社 かんき出版

読もうと思ったキッカケ

兼ねてから、お笑い芸人さの使っているテクニックが普段の会話でも使えると思っていました。

著者の夏川さんは、桂文枝(元:桂三枝)さんに弟子入りし、芸人となり、芸人のかたわらコンサルタントとしても起業しています。

講演・研修・コンサルティングを20年間、年間200社を超える企業・団体で成果をあげる。そんなすごい芸人さんのテクニックを知りたかった!

この本の良かったところ

この本は、芸人さんも使っている笑いのテクニックが普段の会話でも活かせることがわかったところが良かったです。

具体的な手法が書いてあって実践しやすそうでした。非常に有益なテクニックが沢山のっていましたので超おすすめです!

おすすめポイント3つ

  1. 絵文字をイメージして話す
  2. 事実→誇張→飛躍の原則
  3. アソシエイトの法則

1.絵文字をイメージして話すと言葉に感情を込めやすくなる

質問です「おはよう」を明るく言いたい時にどうしたら良いでしょうか?

答えは「おはよう❤︎」や「おはよう♪」と絵文字をつけて口に出す。です。

この話し方の調子をちょっとだけ変えてみるだけで良いのです。

言葉自体に差はなくても言葉以外に違いがあるのが確かにわかります。

心の中で気持ちに合った絵文字を読むイメージを持ってみてくださいこれだけで感情が入った言葉になります。

2.話に興味を持って聞いてもらいたい時は「事実→誇張→飛躍の原則」で話を大げさにする方法

芸人さんがネタ作りに無意識の中に使っている「事実→誇張→飛躍の原則」を活用するのです。

これは著者が三枝師匠に弟子入りしたときにいやと言うほど教えられたものらしいです。

例えばこんな感じです。

(事実)
家の近所を歩いていたらヒールを履いた女性が前を歩いてて

そしたらその女性、側溝の上に置いてある銀色の格子状の蓋に突然ヒールを突っ込んで抜けなくなって、女性って大変ですよね

(誇張)
どうするんだろうと思ってたらそのまま強引に格子ごと引き抜いて

(飛躍)
ガシャンガシャンガシャンと3歩ほど歩いたんです

このように話を飛躍させられると相手の感情を動かすことができる話し方になります。

すごくわかりやすいフォーマットです。

3.話に臨場感が出る話し方

話に共感しながら聞いてもらいたいときは臨場感が伝わるように話をすることです。

そのために活用していただきたいのがアソシエイトの法則です。

これをマスターできると相手への響き方が全然違います。

例えば南国で初めて見かけるフルーツ、このフルーツが酸っぱいことを相手に伝えるのに

「Aさんによると、〇〇と言うフルーツは酸っぱいらしいよ」というふうに話すではなく

「Aさんが言ってたよ『〇〇っていうフルーツは酸っぱい』」と言うわけです。

そうすると聞いている人は実際にその人が目の前で話しかけてくれたかのような錯覚して受ける感覚が全く変わってくるのです。

本の概要

第1章 会話は言葉だけではありません すべらない話し方で気持ちを伝える
第2章 会話の基本は話を聞くことからです すべらない聞き方で相手を話しやすくさせる
第3章 会話に対する苦手意識をなくせます こうすれば自信を持って話せるようになる
第4章 まずは基本を押さえましょう こんな風に話すと気持ちが伝わる
第5章 どんな場面でもうまくいきます すべらない話し方で相手の心をつかむ
番外編 もしすべらない話方をチームで使ったらメンバーのやる気が高まり業績が急激に上がる

第1章では、空気にを掴むことについて書かれています。

話し方で大切なのは、相手との気持ちをやりとりすることであり、お互いに言いたいことを伝えられるのが大切。

では、気持ちのやりとりをするにはどうしたら良いかというと、場の空気を掴めば良い。

なぜかというと、「空気」は感情からできているから。

心の 心の内側の感情から無意識に外に向かって出ているのでこれが空気のもとなのです。

第2章では話の聞き方について書かれています。

会話の基本は話を聞くことで、相手に興味を持って話を聞くという姿勢が何より大切になります。

人は誰でも自分の話すことを聞いてもらいたいし聞いてもらえると嬉しいものです。

聞き方の基本は相手の話に興味を持って聞くことです焦らずに相手と自分との共通点を探しましょう。

家族構成 趣味生い立ちから服の色や将来の夢まで共通点は無限にあるはずです。

共通点を掘り下げていけば良いだけで、それだけで興味を持って相手の話が聞ける状態になります。

思うように会話が続かない時はブルペンキャッチャーの法則が便利です。

ブルペンキャッチャーの法則とは著者が高校球児だったときの経験をもとにした法則で、「うなずき・相槌・声掛け」をタイミングよく行うことです。

そうすることで相手の話に興味を持って聞いているように見え、相手もノって話をすることができます。

第3章と第4章は会話に対する苦手意識のなくし方と具体的な手法について書かれています。

うまく話したいでも話すことが苦手と言う人がよく口にする悩みが「何を話していいかわからない」と言うものですが、まずは何を話すかを決めておくというのが大切です。やはりここは何ごともそうですが、事前の準備が大切なんですね。

また、話の内容を理解しやすいように伝えたい時は多くの人にとって共通のイメージを持てるもので話を進めることを推奨されています。

日常生活の会話でも共通イメージとしてあるキーワードや状況表現などを用いて一言で相手の頭の中にイメージを作るのです

そして、会話に詰まったときに話題を広げたいときはリンク理論という技術が紹介されています。「そういえば」とか「似たような話なんですけれども」とか「〇〇つながりで」といった接続詞で話を始めれば良いのです

第5章は笑いが取れる話の持っていきかたについて書かれています。

この人面白いと思ってもらいたい時の必殺技です。

それは人は予測をいい意味で裏切られたとき面白いという感情を抱くようにできています。

人は常に言葉にしていなくても何かを予測しながら会話をしています。

漫才のネタで

「今日は寒いですねこんな寒い日には家に帰ってこたつにでも入って、、、かき氷でも食べたいですね」

「なんでやねん!」

というのがありますがどうしてこんなことで笑えるのか。

それはこたつにでも入ってまで聞くと聞き手の頭の中に、熱いコーヒーなど温かいものを思い浮かべているからです。

それが良い意味で裏切られることによって笑いが生まれます。要はボケるということです。

相手はどんなことを予測しているかを考える癖をつけることが第一歩です。難しいようですが人間の予測パターンはそんなに多くありません

もう一つ、盛り上がる必殺技があります。それはクイズ化です。

簡単に言うと相手から何か質問されたときそのまま答えずにクイズにすることです会話中に質問が飛んできたときその瞬間を狙ってクイズがするのです。

例えば、「お仕事何されてるんですか?」と質問された時に、「なんでしょうか?」という具合にクイズにします。三択のクイズでも良くて、確かに会話が盛り上がりそうです。

著者紹介

夏川立也(なつかわ・たつや) 0-1990年、京都大学工学部卒業。88年、大 学在学中に落語家の桂三枝師匠に師事、同年元祖 京大生漫才コンビ「ザ・ブラザーズ」結成。大学在学中から芸能活動をはじめ、卒業後は吉本興業の芸人。 また、芸能活動を行う傍ら 91年に自ら会社を設立し、以来経営者として経済活動にも積極的にかかわる。 ◎――おもな芸能活動は国民的長寿番組『新婚さんいらっしゃい!』では前説を10年務め、「笑い」の現場の最前線で豊富な経験を積む。 0-2006年、芸人・経営者・青年会議所活動の経験をもとに、人を前向きにさせて行動させる「パワー・コミュニケーション」プログラムを開発。
笑いでビジネス・コミュニケーション 夏川立也 HP http://www.t-natsukawa.net/

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