おはようございます。
今日はすべらない話の作り方を実例で解説したいと思います。
すべらない話はなぜ面白いのか?あんなトークできたらなぁと思ったことありますよね。
普段の会話と違うテレビですし、話すのも一流の芸人さんなら、聞く方も一流の芸人さんですので、面白くなるように演出されている、笑う環境が整っているというのもありますが、それをさしひいても面白いですよね。
すべらない話は大きく分けると、次の3つの型に分けることができます。
- 人にまつわるエピソード
- レアな体験がネタとして面白いもの
- 話の構造で面白いもの
すべらない話の3つの型
1つ目はほっしゃん。さん『滑舌の悪いシベリア文太さん』のようなその人にまつわるエピソード。
2つ目は兵動さん『銭湯の一等兵』のようなレアな体験がネタとして面白いもの。
3つ目は千原ジュニアさん『加湿器を買うキム兄』のような話の構造で面白いものとに大きく分けることができます。
普段の会話で応用しやすいのは3つ目の話の構造で面白いものになります。
構造で面白いものというのは話のフリとオチが「なのに」でつながっている話です。
で、今回の実例は千原ジュニアさんのすべらない話を分析したいと思います。
千原ジュニアさんがすべらない話でお話された、『加湿器を買うキム兄』のお話です。※キム兄=木村祐一さん
実例で解説 千原ジュニアさんのすべらない話
あのですね、我々の先輩で木村 祐一さんっていらっしゃって
そのキム兄はすごくキッチリしてはって、先輩の代表みたいなところがありまして
で、その木村さんがですね、「加湿器を買いに行くんでジュニアついてきてくれ」って。
「あ、この加湿器えーなー、俺、じゃ、これ買うわー」って言って
「店員さーん、ごめんなさーい、これくださーい」って言うたら
店員さんが「こちら青色とピンク色がございますけどもどちらにしましょうか?」
って言われた瞬間にキム兄が「考えたら分かるやろーーー!
何で40過ぎた男が家にピンク色の加湿器買うねん、青色に決まっとるやろーがー!」
言うてるキム兄が真っピンクのポロシャツ着てたんです。(爆笑)
Butの構造
この話はなぜ面白いのか?
構造で面白いものというのは話のフリとオチが「なのに」でつながっている話です。
この話を一言で言うと『キム兄が「ピンクの加湿器なんか買うか」と言っている、なのに、本人が真っピンクのポロシャツをきている』と言う話になります。
「なのに」でつながっているとは、普通だったらこうなるのにこうなったとか、この話の流れだったらこうなるのに違う流れになったというニュアンスです。
「なのに」とか「だけど」とか「しかし」と言った逆説の接続詞、総称してButの構造で話のフリとオチがつながっています。
面白く笑える話、オチのある話はこのようなButの構造になっています。
フリでの注意事項
「なのに」のまえがフリの部分になりますがこのフリの部分で注意事項があります。
- オチを読まれないようにすること
- 状況を細かく説明しすぎてフリが長くしてしまうこと
オチが効くような条件設定や説明ができるとより面白い話になるのですが、その説明を細かくしすぎてしまうと、他の角度から質問されて話がオチまでいけなかったりします。
さらに、聞いている相手に何か狙っていると感づかれ自然にその話のハードルが上がり、オチを言った時に思ったほど笑いが起きない場合もあります。
このフリの長さは一度口に出して長すぎないか自分自身でチェックするしか方法はありません。ポイントは口に出し言うことです。
頭の中で考えた文章と口に出して言う言葉ではニュアンスや雰囲気が違ってきますので、実際に人に話すように口に出すことがポイントです。
すべらない話はテレビで芸人さんが話すと聞くの役割分担をしているので、1分以上の長いトークもありますが、一般の素人が普段の会話でするエピソードトークなんて長くても1分くらいです。なれない最初の頃は20秒とか30秒くらいで十分です。
起承転結に分解
また、面白いエピソードトークは起承転結に分けることができます。
起承転結はどの部分になると思いますか?
考えてみましょう。
起承転結を見てゆきます。
<起1>で設定説明をしていて、木村祐一さんがしっかりしていると刷り込むことで、<結>のしっかりしてない部分を際立たせます。
<起2>でエピソードトークの状況説明
<承>で店員さんが入ってきて、話の転換のきっかけとなるパートになります。
<転>エピソードの転換地点
<結>オチの部分
上記を踏まえてもう一度見てみましょう。
<起1>設定説明
あのですね、我々の先輩で木村 祐一さんっていらっしゃって
そのキム兄はすごくキッチリしてはって、先輩の代表みたいなところがありまして
<起2>状況説明
で、その木村さんがですね、「加湿器を買いに行くんでジュニアついてきてくれ」って。
「あ、この加湿器えーなー、俺、じゃ、これ買うわー」って言って
「店員さーん、ごめんなさーい、これくださーい」って言うたら
<承>
店員さんが「こちら青色とピンク色がございますけどもどちらにしましょうか?」
<転>
って言われた瞬間にキム兄が「考えたら分かるやろーーー!
何で40過ぎた男が家にピンク色の加湿器買うねん、青色に決まっとるやろーがー!」
<結>
言うてるキム兄が真っピンクのポロシャツ着てたんです。(爆笑)
<終わり>
こうしてみると、型があり、構成があることに気づいていただけると思います。
もう一つ松本人志さんの矢沢永吉さんの話もみてみましょう。
<起1>
だいぶ前なんですけど、HEY!HEY!HEY!に、僕音楽番組やらしてもらってますけど
そこに、矢沢永吉さん、永ちゃんがきた時の話なんですけど
<起2>
矢沢さんが、これはテレビだと、テレビといえども僕はやっぱり、ライブのミュージシャンだから、お客さんもいるし、ライブ感覚でやりたいって言うて
<承>
本当はそんなことは台本になかったんですけど、なんか、もう、楽屋から、もう前奏かけてくれたら、走って行って、ステージ飛び出して歌うって言うのをやりたいんだけど、矢沢。どうかなぁ。
みたいになって、矢沢さんが言うたら、誰も断れないんで「あ、是非、それじゃお願いします」ゆうて
楽屋のところから前奏バーーー流れて
<転>
永ちゃんブワーーー走って行ったんですけど、、、
<結>
間に合わなかったんです。(爆笑)
<終わり>
「なのに」の構造で一言で表すと『台本にはないライブ感で飛び出して歌うはずだった「なのに」永ちゃん間に合わなかった』という話になります。
どうですか?すべらない話の構造がみえてきたんじゃないでしょうか。
日常起こった面白い出来事もこんな方でまとめると、すべらない話のようになりますよ。
今日はここまで。
では。