タイトル:たった一言で人を動かす最高の話し方
著者:矢野香
発行:株式会社KADOKAWA
この本を読んだきっかけ
ビジネス向けの話し方というと発音やオノマトペを使いましょうといった、声や音のような聞く方の耳に関するものであったり、話の構造のPREPの法則だとか起承転結だとか話の構造について書かれた本がほとんどです。
しかしこの本は、今までの話し方の本には書かれていなかった「間」について書かれていました。
今までそんな本は読んだことがなかったので、「間」を使うことによって何が最高になるのかって言うのを知りたくて購入しました。
読後感想
この本は間のコツが満載の本です。著者が一切出し惜しみせず、「間」を知らない人間が「間」を使いこなせるようになるための指南書です。
スピーチやプレゼンなどで、間を使うことによって、短い文で人を動かすことができるようなるための本です。
概要でまとめようと思ったのですが、書かれていることが、本当にシンプルで無駄が削ぎ落とされていて、活字にも間を使っているのかなと思いました。
まとめるというか、僕も内容を忘れたくないので、備忘録のようになってしまいました。
なので、概要が引用ばかりになってしまいましたが、それだけ必要なコツしか書かれていないと思っていただければ幸いです。
「間」の重要さとコツがわかる素晴らしい書籍です。
おすすめ3ポイント
この本はホントに良心的というか、読めばすぐわかって実践できるように書かれています。
その中でも、僕の最も印象に残った3つのポイントをご紹介します。
1.間は取るものではなく意図的に作るもの
聞き手の反応見ながら間を取るのではなく、相手にに反応してもらいたい場面で、積極的に自分から間を作る。
うなずいてもらいたい場面で間を作る。
考えてもらいたい場面で間を作る。
この部分は、目から鱗でした。話をしていると、どうしても相手の反応に目が行きがちです、そうすると間をとるタイミングを忘れてしまったり、聞き手主導で間が生まれたり生まれなかったりします。
なので、「間は相手任せにするのではなく、積極的に自分から作ってゆく」これを知れたのは非常によかったです。
2.間の時間的な長さ
じゃ、間の長さってどれくらい取ればいいの?ってなりますよね。
ご心配不要です。間をとる時間も3種類あって、それぞれ解説がされています。
間は長さによって大きくも3つに分類されます。これらの間を、その時の状況や相手によって使い分けます。
①ショートの間(長さ1、2秒)
急いで息を吸う位の間。
商談など一対1で話している時や、大勢の前でのスピーチでも一人ひとりに語りかけているように聞かせたい時などに効果的。
②スタンダードの間(長さ3秒)
標準の長さの間。3秒と聞くとあっという間のように感じるかもしれませんが、実際に測ると想像以上に長く感じます。
3秒は話し手の言葉が相手の耳から脳へ届く時間になります。
謝罪する、叱る、褒める、励ます、感謝するといった、感情伴う場面は全てこの3秒のスタンダード間が適しています。
③ロングの間(長さ5秒以上)
初心者にとってかなり勇気が必要な間。
ロングのまま聞き手が大勢の時、またはあまり話を聞く気がない方がいる場合に適しています。
話すために場所に立ってもすぐには話出さず、ざわめきが収まるまで待つ。無言で(できれば笑顔で)見渡す。
3.一文一息で話す
意識的に間を作る話し方の効果や具体的な手法も丁寧に詳しく書いてあるので迷いません。
一文一息とは、一文=ワンセンテンスを一息で、息継ぎせずに話すことです。
この一文一息は、間を作るために最適な話し方といえます。
聞き手にわかりやすく、力強く伝えるには、一文をなるべく短くして一息で話すスキルがスキルが必須です。
一文を短くして一息で話し、終わったところで息を吸います。この一息が間になります。
「一文一息」の7つの効果
効果1 間を作りやすい
効果2 内容がわかりやすい
効果3 センテンスが短い
効果4 緊張を感じさせない
効果5 「あー」、「えー」がなくなる
効果6 腹式呼吸しなくても良い
効果7 非言語・ノンバーバルが際立つ
「一文一息」で話すための具体的な方法
ステップ1 スペース1分を50文字以内にする。
ステップ2 PREP方で構成する
ステップ3 文末の「思います」を削除する
ステップ4 一文ごとに息継ぎをする
書籍の概要
この本では終始、「間」にクローズアップして話が展開されています。
著者の話し方におけるモットーは「1挙手1投足、意図を持ち話す」
何を伝えたいから話すのか?何の目的のために話すのか?
感動させたい
説得したい
商品を購入してほしい
仲間に入って欲しい
デートに誘いたい
など何でも良いのです。
聞き手の心をつかみ、目的に対し望む結果を出すことができる話し方。それが最高の話し方です。
「話し方のスキル本の通りにあったのに、何か伝わってないよな」
「どうして思ったように動いてくれないのかな」
「相手を惹きつけるような話なんてできないよ」
もしこんな悩みがあるとしたら「間」が足りていないのかもしれません。
間をうまく使いこなすことができればどんな話し方でも最高の話し方に変えることができます。
人生を自ら切り開くための武器として最高の話し方をぜひ手に入れてください。
1章…なぜ、あなたの話し方は相手に伝わらないのか?
余白の時間=間は、無言で何かを伝える時間であり、恐れずに間を取りコントロールできるようになれば、自分の思い通りの結果を出せるようになります。
今までの話し方が嘘のように、聞き手がリアクションを示すようになります。
一方通行だったコミニケーションが双方向になり、格段に話しやすくなります。
最初の努力で最大の効果が出るスキルそれが間です。
またこの章ではコミニケーション上手と思っているほど危ないと警鐘鳴らしています。
例えば
・一文が長い
・相槌が多すぎる
・人の話を遮る
・相手の話を奪う
・会話が噛み合わない
このよう残念な話し方にはある共通点がありますそれは間を意識してないと言うことです。
会話に余白がなく一方的に話し続けてしまっていることが最大の原因です。
自己満足型のコミニケーションともいえます。
2章…間をとれば「最高の話し方」になる
間は取るものではなく意図的に作るものです。
聞き手の反応見ながら間を取るのではなく、相手にに反応してもらいたい場面で、積極的に自分から間を作るのだと考えてください。
うなずいてもらいたい場面で間を作る。
考えてもらいたい場面で間を作る。
これだけでいいのです。
今はいわば話し方のターボエンジンです。
今までの話し方に「間」を加えることで倍の効果が期待できます
①結論から話す×間
②大事なポイントは3つにまとめる×間
③質問×間
④キーワード×間
⑤数字×間
このように今までの話し方のテクニックに間を掛け合わせることでこれまでの倍以上の効果が期待できます。
デールカーネギーは人前で話すときは4つの大切なポイントがあるといっています。
①重要な言葉を強調し、重要ではない言葉を軽く言う。
②恋の調子を整える。
③話す速度を変える。
④重要なポイントの前後に間を置く。
また弁士・講演家の徳川夢声も間の大切さを説いています。彼は話の三原則として次の3点をあげています。
①間の取り方
②声の強弱
③言葉の緩急
3章…世界の一流に学ぶ最高の話し方
間にも色々な間があり、この章では世界の一流のスピーチを例に出し、間の種類について述べられています。
7つの「間」の種類
①始まりと締めくくりの間
②話の転換の間
③強調の間
④考えさせる間
⑤人を感動させる間
⑥聞き手を味方にする間
⑦余韻の間
ご紹介した7つの間の中から1つだけでも試してみてください。伝わったという形態が感じられるはずです。
4章…人を動かせる間のコントロール方法
<長さによって使い分ける3つの間>
間は長さによって大きくも3つに分類されます。これらの間を、その時の状況や相手によって使い分けます。
①ショートの間(長さ1、2秒)
②スタンダードの間(長さ3秒)
③ロングの間(長さ5秒以上)
ひとまず1つずつご説明します。
① ショートの間(長さ1.2秒)
急いで息を吸う位の間。
商談など一対1で話している時や、大勢の前でのスピーチでも一人ひとりに語りかけているように聞かせたい時などに効果的です。
②スタンダードの間(長さ3秒以上)
標準の長さの間。3秒と聞くとあっという間のように感じるかもしれませんが、実際に測ると想像以上に長く感じます。
3秒は話し手の言葉が相手の耳から脳へ届く時間になります。
相手の心を動かすところまではいかないものの、必要不可欠不可欠な間です。
相手に考えさせて言葉の意味が浸透するには3秒以上かかるのです。
また謝罪する、叱る、褒める、励ます、感謝するといった、感情伴う場面は全てこの3秒のスタンダード間が適しています。
③ロングの間(長さ5秒以上)話
初心者にとってかなり勇気が必要な間。
ロングのまま聞き手が大勢の時、またはあまり話を聞く気がない方がいる場合に適しています。
話すために場所に立ってもすぐには話出さず、ざわめきが収まるまで待つ。無言で(できれば笑顔で)見渡す。
話の途中は、聞いてもらいたい部分にの前後で論文の間をとると聞き手が注目してくれます。
<間の作り方>
・初級編〜5つの方法
①資料を使う(スタンダードロングの間向き)
②水を飲む(ロングの間、それ以上向き回)
③ホワイトボードに書く(スタンダードロングの間巻)
④ものを出す(ロング生)
⑤歩く(ロングの間、それ以上)
・上級編
この間は他の間と比べものにならないほど効果が絶大です。「無言で待つ」という間の作り方です。
ここぞと言う場面で無言で会場を見渡す。
しかし無表情で見渡していたら緊張しているのかな言うことを忘れたのだろうかと聞き手に思われてしまいます。そこで笑顔で待つ。
微笑んでいるぐらいで良い。効果が絶大です。
<時計を見ないで間を図る3つの方法>
十分にとったつもりでも実際は取れていないのか間と言うものです。
間には3倍と3分の1の法則があります。
話し手には3倍の長さに聞き手には3本の基礎長さに感じられると言う法則です。
では、どうやれば狙った通りの間をとることができるのでしょうか?
3つの方法があります。
①やまびこ法
一番のオススメは、直前に発した言葉を心の中で繰り返すことです。同じ言葉をそのもう一度やまびこのように繰り返す方法です。
②呼吸法
自分の呼吸を数える方法で息を吸って吐いたら「1」と心の中で数えます。
③リアクション法
聞き手のリアクションを使う方法です。自分が言葉を発した後、聞き手からのリアクションを確認すると間ができます。
こちらの言葉に大きく頷いたり、ちょっとした冗談に笑ってくれたりと言う何らかのリアクションをしていてくれている方がいないかを探すのです。
この間を取ることで、聞き手はリアクションを待たれているのを感じ反応しやすくなると言う効果も生まれます。
5章…間を作り出す最高の伝え方一文一息
一文一息とは、一文=ワンセンテンスを1息で、息継ぎせずに話すことです。
この一文一息は、間を作るために最適な話し方といえます。
聞き手にわかりやすく、力強く伝えるには、一文をなるべく短くして一息で話すスキルがスキルが必須です。
1分を短くして一息で話し、終わったところで息を吸います。この一息が間になります。
<「一文一息」7つの効果>
一文一息には、ただ人に伝わりやすくなると言うだけでなく、人を動かす力があります。それは、次の7つの効果があるからです。
効果1 間を作りやすい
効果2 内容がわかりやすい
効果3 センテンスが短い
効果4 緊張を感じさせない
効果5 「あー」、「えー」がなくなる
効果6 腹式呼吸はいらない
効果7 非言語・ノンバーバルが際立つ
<」一文一息」のための5ステップ>
どの様にすれば一文一息で話すことができるのか。具体的な方法をご紹介します。
ステップ1 一文を50文字以内にする
ステップ2 PREP方で構成する
ステップ3 文末の「思います」を削除する
ステップ4 一文ごとに息継ぎをする
ステップ5 動画を撮影し話の内容を確認する
6章…間を使った最高の聞き方
間は話を聞く時にも使える技術という、間は話す時以外にも使えることがわかります。
人と会話をする時も、同じです。相手にこの人ともっと話したいと思われる方は、リズムの取り方、つまり間の取り方が上手です。
相手の吐く息のリズムに合わせて、頷いたり、「はい」、「ええ」、などと相槌をうったりします。これが話を聞くときの間です。
間がうまく使えると、餅つきのようにテンポよく会話ができるようになります。
7章…最高の話し方のためのメンタル
最後の章はこんな言葉で綴られています。
言葉の巧みさよりも、ジェスチャーなどを伝え方の巧みさよりも、話し手が何を大切にして生きてきたのか。
これまでの人生で何を 大切にして生きてきましたか?
今、何を大切にして生きていますか?
話し方が上手くなる特効薬ではありませんが、この答えを見つけることであなたの話し方は最高の話し方に必ず変わります。
まとめ
間の取り方に特化した、話し方の専門書でした。
特に4章と5章は、具体的なスキルや手法がギュッと詰められていて、この本のコアの部分だなと感じました。
一文一文を短くして、間をとって話す。
スピーチやプレゼンなどで、間を使うことによって、短い文で人を動かすことができるようなるための本です。