笑いが起きるGAMEの原理
会話のなかで笑いが起きる時ってどんな時でしょうか? そして
それにパターンがあるとしたらあなたの笑いが取れるシーンが増えると思いませんか?
笑いが起きる現象って、よく考えるとたくさんありますよね。ですから、これをそのまま「笑いが起きる現象ってたくさんあるな」と思っているだけだと、普段の会話で「何か面白いこと言えないかなぁ」と思っていても、何も思いつかず会話が流れてゆく。
しかし、笑いが起きるパターンを知っていると「今だったらギャップが使えるかも?」「今はマッチを使えるかも?」と会話の流れのなかで発言するキッカケになります。
さらにパターンから選択するのでレスポンスも早くなり、より笑いが起きやすい好循環が生まれます。このパターンを知り得ている状態がとても大切で、パターンを知っているとコメントのキッカケが生まれる、知らなければキッカケが生まれない。知っているか知らないかだけなんですね。
笑いのコミュニケーションスクールでは、一見すると無数にあるように思える笑いの現象をギュっと3つに絞って「笑いが起きるGAMEの原理」と呼んでいます。
実は、会話のなかで笑いが起きる場面は、ズレが起きた時、一致した時、共感した時の3つのどれか又は同時に起こった時に笑いが発生します。
ズレ=GAp(ギャップ)
一致=Match(マッチ)
共感=Empathy(エンパシー)
この3つの英単語の頭文字を取ってGAMEの原理と呼んでいます。それぞれ説明しますね。
GAP(ギャップ)は予定調和が崩れた時、予想していたものが裏切られる、普通ならこうなるのにこうなった。というニュアンスで、ズレが起こった時に笑いが起きます。
MATCH(マッチ)は一見すると関係ないものがつながる、重なるというニュアンスで、一致した時に笑いが起きます。例えツッコミとか、モノマネなどが典型です。
EMPATHY(エンパシー)は、共感。これはそのままなんですが、共感した時に笑いが起きます。あるあるなどが典型的な例です。
GAMEの原理の大まかな方向性はお分かりいただけたでしょうか? イメージができたところで、実際にどうしたらGAMEの原理に基づいた笑いになっているのか、その事例を一緒に見ていきましょう!
GAP(ギャップ)
GAはGAP(ギャップ)になります。
やっていること(行動)と言っていること(発言)にギャップが起きると、そこで笑いが起こったり、ツッコミが入ったりして笑いが起きるパターンです。まずはGAP(ギャップ)の具体例を見てみましょう。
例えば、道路を歩いていて段差でつまずいて転びそうになった後に「あっぶねー、もう少しつまずくところだったよ!」という。
すでに「つまずいている」のに「つまずくところだった」と言うことで、やっていること(行動)と言っていること(発言)にギャップが生まれ笑いが起きる、または「つまずいてるじゃん」というツッコミが入って笑いが起きます。
しかもこの「〇〇するところだった」は決まったフレーズです。英語でいう構文ですね。
ちょっとした失敗やミスをしているにもかかわらず、直後に「〇〇するところだった」とセットで言うことで、やっていること(行動)と言っていること(発言)にギャップが生まれ笑いが起きます。
他にも例を出しますね。
箸を渡そうとしたのに落としてしまった後に「あぶな、もう少しで落っことすところだった」と言ったり、冗談言ってスベってるのに「もう少しでスベるところところだったよー」と付け加えると「スベってるから!」とツッコミが入ります。
ちょっとした失敗やミスって日常でよくありますよね。利用頻度が高いフレーズなので、そのまま覚えて使うことができます。
それから、自分のキャラと逆の発言をするというのもあります。
すごく太っている人が「こう見えても昔は太ってたんだよね」というと「今も太ってるじゃん!」とツッコまれる。
大雑把な性格なのに「ほら、私って繊細じゃん」と自分とキャラと反対の発言をすると「お前から繊細さなんて感じたことがないよ」とツッコミが入って笑いが起きます。
他にも色々なGAP(ギャップ)が考えられると思うので、ぜひご自身でも見つけて試してみてくださいね。
MATCH(マッチ)
MはMATCH(マッチ)のMになります。
MATCH(マッチ)は違うものがつながる、違うものが重なるというニュアンスです。
典型的な例でいうとモノマネですね。原口さんがさんまさんのモノマネをすると面白い。シャチホコさんが和田アキ子さんのモノマネをすると面白い。コロッケさんが美川憲一さんのモノマネをすると面白い。このように重なるイメージのモノマネは典型的なMATCH(マッチ)になります。
そして、会話のなかで利用頻度が高いのが「例え」です。物事を例えたり、例えツッコミを入れたりして、別のものがつながるイメージもMATCH(マッチ)になります。
そして、この「例え」ですが最初はなかなか思い浮かばないと思います。周りの人を見てもできる人が少ないはずです。トレーニングが必要なんですね。
なので最初は、自分で見聞きした例えをそのまま使って例える練習をしましょう。周りの友人がいっていた例えやテレビで聞いて面白いなと思った例えツッコミをそのままマネして使いましょう。
自分で聞いて面白いなと思ったものは自信を持って言いやすくなります。
一度言ってウケると、そのフレーズが自分の中で深く刻まれストックされます。このようにストックがたまってゆくと、オリジナルの例えも閃くようになります。
講座で例えはマネし使うと良いですよという話をするのですが、皆さんはお忙しいのでなかなか例えをストックできないと言われるんですね。なので、私が例えをインプットできるホームページを作りました。名付けて例えBANK。
この例えBANKは累計10万PVを誇る人気サイトになりました。
URLはこちらhttps://lollollol.net/26062019/1771.html
例えBANKに私が面白いと思った芸人さんの例えツッコミや日常で使えそうな例えを300個以上載せています。ホームページであれば24時間365日いつでも見ることができますので、この中からあなたのお気に入りの例えを見つけて自由に使ってください。
ちょっとだけ収録されている例えをお見せしますね。
ちょっと小馬鹿にされた時の便利な例え「もし僕がゴルゴだったら、今頃狙撃されてるで」ちょっと小馬鹿にされた時家で失礼なこと言われた時も、やんわり復讐している感覚を持てるお得な例えツッコミです。
無表情の人を見た時の例え「自動車の違反者講習のビデオ見てる時くらい無表情」自動車の違反者講習のビデオを見ている時みんな驚くほど無表情なんですよね。
汚い言葉を使われた時の例え「ハードコアラッパーでもそんな汚い言葉使わないよ」ハードコアラッパーのところを浜ちゃんや梅沢富美男、有吉さんなど大御所にすると例えられた人も悪い気がしないので グッドです。
全然違う時の例え「全然違う!猪木とえのきぐらい違う」語感は似ているのに屈強な猪木と細いえのきが対照的で引き立ちます。
ということで「例え」や「例えツッコミ」は最初にトレーニングが必要です。しかし意識的にできる人が少ないため、例えができるようになるだけで周りより頭一つ抜き出ることになります。よって簡単に笑いが取れるようになります。
ご自身がマジメだなと思われる方は、例えをストックしていきましょう。面白い例えが言えるにはストックの多さ、要は努力に比例します、ストックから閃くこともあります。マジメな人ほどちゃんとストックを増やせるので例えで笑いが取れるようになります。
ぜひ例えBANKをご参考ください。
EMPATHY(エンパシー)
EはEMPATHY(エンパシー)のEになります。共感という意味です。これは、共感が起こったときに笑いが起きるというニュアンスになります。
クイズ形式で事例を出しますね。
あなたが会社の同僚と5人で居酒屋で談笑している時。同僚が言った下ネタが酷すぎて周りがシーンとなってしまいました。周りを見るとみんな困った顔をしています。
この時に、あなたがその場の空気を言って笑いにしたいのですが、どんな風に言うのがよさそうでしょうか?
回答は、、、
「みんな困った顔してんじゃん」
これを聞いてみんなが(確かに! みんな困った顔してる)と思ったら笑いがおきます。このようにその場の雰囲気や空気感を言うことで共感して笑いが起こります。
もう一つクイズ形式で事例を出します。
先ほどの居酒屋の続きです。今度はあなたが喋っています。何を喋っているかというと、今日あった会社の愚痴です。「今日、こんなことがあってイライラ……」と話しています。
そして、ふと気づいたら、他の三人は別の話をしていて、あなたの話を誰も聞いていなさそうでした。この時に、自分でその場の空気を読んでツッコミます。なんと言うと笑いが起きそうでしょうか?
回答は、、、
「って、誰も(私の話)聞いてないじゃん!」ですね。これを聞いた周りの人が「本当だ、誰も聞いてない」と共感して笑いが起きます。このように、聞いてる相手や周りの人が思っていそうなことをポンっと言ってあげて共感があると笑いが起きます。
あとは自分ツッコミや自分フォローといったものもあります。共感してもらえそうな一言を自分自身にツッコミを入れて笑いが起きる方法です。
これはスピーチなどでウケを狙って言った一言がすべったとき。周りの人は「あ、今スベってる」と心の中で思っていたとします。
そこでスベった張本人が「今、めっちゃスベっちゃいましたね」と周りの人が思っていそうなことをを拾って発言すると、共感が起こり笑いになります。
共感で起こる笑いは、最初のクイズでお話しした居酒屋のような数人での会話時にも使えますし、スピーチのような大人数に向けて話している時も使えます。
その場の空気を言うEMPATHY(共感)は冗談を言っている感じにならないので、GAMEの原理の中でも最もハードルが低く実践しやすいです。
まとめ
GAP、MATCH、 EMPATHYのニュアンスをお伝えしてきました。
GAPは予定調和が崩れる、とか期待が裏切られた時に笑いが起きるというニュアンス。
MATCHは違うものが繋がるとか、重なると笑いが起きるというニュアンスです。
EMPATHYは行動や気持ちに共感した時に笑いが起きるというニュアンスです。
この3つの考え方の1つまたは複合して使われることもあります。
3つともいきなり意識できないなぁと言う方は、どれか自分のやりやすそうなものからやってみてください。
人によってGAPが得意、MATCHが得意、 EMPATHYが得意とやりやすいものが違うはずですので自分が得意そうだなと思うものから取り入れてみてください。
自分の得意なのがわからない。GAP、MATCH、 EMPATHYの中で、どれから最初に試したらいいですか?と質問されることがあります。この場合EMPATHYと答えています。
周りの空気をいって共感を得る方法はやりやすいので最初にチャレンジしていただきたいです。共感の笑いで小さい笑いをとりつつ、MATCHの例えを使ったり、GAPを使うことにより様々なシーンで笑いを取れるようになりますよ。