購入したのは去年なのですが、本の厚さで読む気が損なわれていました。
ところがDAIGOさんのYouTubeで読むべき5冊として「ユーモアは最強の武器である」が紹介されていて、俄然読みたくなり現在読んでいて、やっぱり面白い本なので紹介したいと思います。
日本で笑いもセンスだと思われているように、アメリカでもユーモアはセンスだと思われているようです。
しかし、本書ではユーモアはセンスではなく、トレーニングで身につけることができるスキルだと書いてあります。
なんとも心強いです。そして……
ユーモアを発揮する人は、知的で有能で、親しみやすい印象を与える。
ユーモアのある職場は創造性や生産性が高い。
ユーモアはつながりや信頼を育み、ストレスや逆境を乗り越える力となる。
首がもげるほど、うなずき共感できます!
僕の普段思っていることと重なる部分も多くとても楽しく読めます。
印象的なテーマをまとめていきたいと思います😊
ユーモアは最強の武器であるーアップル、ピクサー、Googleに学べ!全ては「ユーモア」が解決する!
アップル、ピクサー、Googleがやっているのであれば是非知りたい!キャッチコピーが秀逸です。
「ユーモアは最強の武器である」はスタンフォード大学で『ユーモアーーーシリアス・ビジネス』という授業で講師を務めているジェニファー・アーカーとナオミ・バグドナスによって書かれています。(ともに女性で少しビックリしました)
本書を読むことによって主に以下の3つがめっちゃ役に立ちそうです。
・ユーモアはセンスではなく、トレーニングで身につけられると分かる
・ユーモアの基本テクニックが分かる
・ユーモアを会社の中に取り入れることでパフォーマンスが発揮しやすい企業に変われる
本のは8章で構成されていて、各章のテーマは次のようなタイトルになっています。
第1章 ユーモアのタイプ
第2章 ユーモアの心理学
第3章 プロのコメディアンのテクニック
第4章 ユーモアを仕事に活かす
第5章 ユーモアとリーダーシップ
第6章 職場で陽気な文化をつくる
第7章 ユーモアのグレーゾーンを切り抜ける
第7.5章 ユーモアは人生の秘密兵器
ユーモアの基本パターンを学ぶ
第1から3章までがユーモアの基本パターンを学び、ユーモアはセンスではなく身につけることのできるスキルということを理解するパートになっていて、第4章から7.5章までが、多くの事例取り上げならがら実際の仕事や会社への活かし方のパートになっています。
日本と違ってアメリカは仕事中でもジョークやユーモアが飛び交っているかと思いきや、、、アメリカでも仕事になるとシリアスになるそうです。
700名以上におこなった「なぜ職場ではユーモアを発揮しにくいのか」という調査の結果、4つの理由見えてきた。
- 職場のシリアスな雰囲気のなかでは、ユーモアの入り込む余地ないと思う
- うけないという思い込み
- 面白くなければいけないという思い込み
- 生まれつきの才能という思い込み
どうですか?日本と全く同じだと思いませんか?
なんかアメリカだったら、もっとみんな陽気でウィットやジョークを軽く連発していそうな気がしますがそうではなさそうです。
ということは、本書の内容を理解すれば日本でも同様にユーモアを言って笑いが取れそうですよね。
次にあなたのユーモアタイプは?ということで4つのタイプで自分がどのユーモアを得意とするタイプなのかがわかります。
スタンダップが日本では最近あまりなさそうですが、風刺的だったりブラックジョークを好む人のようです。
スイートハートは何言ってもよく笑ってくれるタイプ
マグネットはお調子者自分で言って自分で笑う周りを巻き込むタイプ
スナイパーはボソッと毒舌的なことを言って笑いをとるタイプ
特徴で4分割するとこんな感じになります。
- スタンダップ(攻撃的・表現豊か)・・・賑やかで風刺的、ブラックジョークを好むタイプ。あまり日本ではいないかも
- スイートハート(親しみやすい・さりげない)・・・何言ってもよく笑ってくれるタイプ
- マグネット(親しみやすい・表現豊か)・・・お調子者で自分で言って自分で笑い周りを巻き込むタイプ
- スナイパー(攻撃的・さりげない)・・・ボソッと毒舌的なことを言って笑いをとるタイプ
書籍の中では、この4タイプに分けられるとしつつも、固定するものではなく、タイプを切り替えて使うことで、笑いを取れる場面が多くなる。したがって効果があると言うことでした。
確かにそれはそうですよね。
ユーモアの位置付け
本書の中でも「陽気」「ユーモア」「コメディー」は頻繁に出てくるワードですが、この3つを区別をしています。「陽気」→「ユーモア」→「コメディー」の順番にレベルが上がってゆく感じです。
陽気さは体を動かすこと全般。どちらかというと心構え。
ユーモアは体を動かすことでも、サッカーするとかサイクリングするとかさらに目的を持って運動をすること。
コメディーはさらにサッカーするでもプロとしてやること、いわゆるプロスポーツとしての運動。
ここでユーモアの位置を確認させて、ユーモアにはどんな効果があるのか?というロジックが展開されます。
ユーモアの4つの効果としてパワー、繋がり、創造力、レジリエンスを挙げています。
1.ユーモアがもたらすパワー
- 地位が高く見える
- 知的に見える
- 交渉を有利に導く
- 目立つので記憶に残りやすくなる
2. ユーモアがもたらす繋がり
- 距離を縮める
- 信頼しやすくなる
- 人間関係の持続に役立つ
3.ユーモアがもたらす創造力
- アイデアが閃きイノベーションが加速する
- 頭の回転が速くなる
- 心理的安全性を育む
4. ユーモアがもたらすレジリエンス
- 苦境を乗り越え粘り強く頑張れる
- ストレスに対処できる
- 健康をもたらし寿命が延びる
うん。全て納得できますね。面白い人に抱くイメージは万国共通なんでしょうね。
プロのコメディアンのテクニック
3章ではプロのコメディアンのテクニックが紹介されます。ここが一番皆さんみたいところかもしれません。
コメディっていうのは、おかしなことを真剣にやるということ 〜ピーター・ユスティノフ〜
ユーモアの基本はミスディレクション
原則1 ユーモアの核心は事実にある
原則2 あらゆるユーモアには驚きとミスディレクションが潜んでいる
一般論や常識、普段疑わない状況などに潜んでいる、自分の見解や感情という事実を言って、それが予想を裏切る構造になっているとユーモアになると解釈しました。
ここの部分は全てが関連づけられているように読まないと、少しわかりづらいので私なりの考えを入れました。
では、そのユーモアとなる「面白いもの」の目の付け方、要は事実の見つけ方がPart1に書かれている。
Part1 面白いものに目をつける
- 不調和-違いに気づく。コントラストや矛盾、対比。
- 感情-自分の気持ちに気づく。恥ずかしい、悲しい、気まずい、嬉しい、感情はユーモアの入り口。
- 意見-自分の考えに気づく。一般的に認められている行為だが自分にとって「ゾッとする」「バカげている」としか思えないものを探す。
- 痛み-自分がどんなことに傷つくか、恐れを感じるかに気づく。痛みはコメディの3大材料の一つ。残り二つは事実と距離。
- 喜び-自分が思わずにっこりしてしまうもの。面白いものに気づく。笑いは伝播する。
面白いもの=事実に気づくこと。そして、その事実をオチにする方法がPart2で述べられています。
Part2 おもしろさを作り出す
ジョークは「設定+オチ」という基本構造になっている。どうすれば事実をオチにすることができるか5つの方法が紹介されています。
- 誇張する→オーバーにするとかオーバーにいうこと。
- コントラストを生じさせる→対比させるとか逆にしてギャップを作る。
- より具体的な表現を使う→マニアックな言葉を使ったり、固有名詞で言ったり、ディティールを細かくして話を転がす。
- 比喩を持ちる→例えや例えツッコミ。
- 3のルール→3段オチ。
Part3 面白いことをパッと言える
Part3では、見つけて作ったものをパッと言えるようにするためにはどうしたらいいの?ということで
- 持ちネタを用意する→これは世界共通の認識なんですね。
- 「いま、ここ」に集中する→自分ツッコミとか、その場の雰囲気や空気感をいう。
- コールバックを利用する→ウケたことを再度言ったり、同じ仕組みや方法を繰り返すこと。
さらにさらに、話す内容だけじゃない。決めては語り口ということで、どのように振る舞って言うかの大切さをPart4で説明。
Part4 決めては語り口
優れたコメディーにはメロディーとリズムがある。言い方大事!
- オチの前に一拍おく→日本でいう”間”
- 身振りで示す→ジェスチャーですね。
- 抑揚をつける
- オチのセリフを繰り返す→これはアメリカならではなのかも知れないですね。
- 語り口と内容をマッチさせる→これは普通にそうなりそうです。
- 堂々とやってのける→オドオドしないこと。
ユーモアを職場に取り入れる方法
5章以降はユーモアを職場にどのように取り入れてゆくかについて書かれています。
リーダーシップにユーモアが必要な理由
5章のユーモアとリーダーシップではリーダー達のユーモアエピソードがまとめられていています。
例えば、
サウスウエスト航空とスティーブンアビエシェル社が「スマートに飛ぼう」というスローガンをどちらが使う権利があるかを両者のCEO同士の腕相撲で決着をつけた事例
ウォーレンバフェットが自虐ネタで笑いをとる事例
ヴァージングループの創業者リチャード・ブランソンの会議に遊びを入れた事例
などでリーダー達の使っているユーモアエピソードをもとに、自分ならどうするかをイメージできる章となっています。
そして、だ第6章では職場にユーモアの文化を根付かせるための方法について書かれています。
GoogleのTGIFを用いて、職場で陽気な文化を作るにはトップ(経営者)が雰囲気を決める、としています。ちなみにTGIFとはThink goodness it’s Fridayの略で日本語でいうところの「華金」になります。
さらに、すべての社員を受け入れる。アウトロー社員も、優秀な社員も、普段はおとなしい社員も全員巻き込んでゆく姿勢が大事。
だから、意図的に陽気さを取り入れるよう、会社の楽しい思い出を作り出すように催し物をしたり、パーティーをしたりして感情が動く決定的瞬間を作る。
またハプニングが起こって笑いが起きればそれを伝統に変えてゆく。
このような姿勢と意図的な方法で職場にユーモアの文化を根付かせることができると解説しています。
第7章ではユーモアが失敗した時の考察について書かれています。
アメリカのユーモアは、職場ではジョークを飛ばすのが気が引ける理由で最も多いのが「うっかり一線を超えてしまうのが怖い」らしく、ここは日本と少し違う気がします。
日本だと親父ギャグとか言って冷たい視線で見られるのが嫌と言うのが多そうですが、アメリカでは違うようです。
何か相手に失礼になるかもしれないしならないかもしれないギリギリのことを言うイメージがします。
ユーモアのグレーゾーンとして、事実、痛み、距離の3つとしてあげています。
特に痛みと距離が大切だなと思います。
痛みは同じ側に立っている人間かどうか、他人のアイデンティティをネタにしていないかどうか。
身内ネタを身内同士で言うのは許されるが、身内でない場合はNGとか。
距離は、さほど親しくもないのに馴れ馴れしくしてくるとか。
ようが空気が読めないと言う一言かなと思います。
あとは、アメリカ的なのかもしれませんが「パンチダウン」するという表現。
立場の強いものが立場の弱いものに対して弱いものいじりをする場合もアメリカでは面白くないとなるそうです。
あと面白かったのが、出世するほど自分のジョークの効果が計りにくくなると言う理論です。
上司のジョークへの笑いは「配慮の笑い」の場合もあるため、本当に面白くて笑っているのかわかりづらいと言うことなのですが、確かにそうだなと感じますよね。日本でいう愛想笑いの大げさバージョンなのかなと勝手に想像してしまいます。
以上、ユーモアは最高の武器であるの概要紹介と感想です。
日本の笑いとは少し捉え方が違う部分もありますが、第3章のプロのコメディアンのテクニックは使えるテクニックが多いです。ここの部分だけ読んでも価値があるなと感じます。
ただ、この本はビジネスに笑いを活かすことに注力されている本ですので事例から、自社に取り入れられないかイメージを膨らます必要があるなと感じました。
何かプログラム的なものではなく、トップの考え方とカルチャーがとても重要な要素だと感じました。
笑いをビジネスに取り入れている企業の話や、分析されている内容は、他にはなかなかない内容の本で素晴らしかったです。