「褒める」にはどんな効果がありそうでしょうか?
どうですか?
思いつきましたか?
「褒める」はコミュニケーション力を劇的にUPさせるスキル。
そして、人間関係に奇跡を起こすスキルです。
1937年に出版されたデール・カーネギーのベストセラー名著「人を動かす」で、ほめるの重要性について述べられています。今から約1世紀近くも前の書籍で、日本で500万部、世界で1500万部売れている名著。
同じく発行500万部のレス・ギブリンの名著「人望が集まる人の考え方」でも「褒める」は人間関係に奇跡を起こす方法として触れられています。
日本でもほめ達といって、ほめる検定試験があるほどです。
褒めるは大昔から言われている、普遍的なテクニックです。
褒めるは個人にももちろんですし、組織にも良い影響を与えます。
相手のモチベーションを上げると同時に言った自分も気持ちが良くなります。
情けは人の為ならず、同様、褒めも人の為ならず
自分に返ってきます。
褒めるは言葉にすることで10倍いや100倍効果がある、超重要スキルなんですね。
私も褒めるには底知れぬパワーがあるなと思っています。
日本ほめる達人協会の松本秀男さんが書かれた『「ほめる」は最強のビジネススキル!』にとても素晴らしいフレーズで共感できる言葉を見つけましたのでご紹介します。
「ほめる」とは、価値を発見して伝えこと。
・「ほめる」には相手と自分の間にある見えない壁や垣根をとり払う力がある。
・ほめようとすることで、価値を発見しようという視点に立つ。すると今まで意識していなかった人、モノ、出来事の価値や素晴らしさが見えてくる。
・ほめることで自分が変わり、自分が変わることで周りが変わって見える。それが周りにいい影響を与える。
「褒める」は最強のビジネススキル!より引用
「ほめる」とても深い言葉だと思いませんか?
では、どのように褒めたら良いのか、ポイントと効果についてお話しします。
褒めるポイント
ひとくちに「褒める」といっても、色々な「褒める」がありそうですよね。
そこで、ジャンル分けするとわかりやすくなると思いましたので、褒めるを大きく3つにジャンル分けしました。ジャンルごとに見ていきましょう。
ジャンル1:見た目を褒める
ジャンル2:行動を褒める
ジャンル3:成長を褒める(過去と現在を比べる)
ジャンル1:見た目を褒める
ビジネスシーン、プライベート問わず初対面で使うシーンが多いです。
注意点としては、現代のトレンド的に身体的特徴、顔やスタイル、生まれつき変えられないものは褒めないようにしましょう。
1.身につけているもの・・・服、スーツ、ネクタイ、靴、時計、バッグ、スマホケース、メガネ、文具、ハンカチ、アクセサリー、キーホルダー、指輪、ネイル、ピアス
具体的な褒めフレーズ
「なんかスーツいつもと違う感じじゃないですか!?」
「そのメガネいいですね、なんか自分もそういうの欲しいです」
「それ(モノ)なんですか?なんか、いいなって思って」
「〇〇さんは、自分に似合うものご存知ですよねー」
身につけているものを軽く褒めるのは白々しくて苦手と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、特に初対面の場合は、相手の情報なんてほぼないので、パッと見で褒めるしかないですよね。
逆に出会って間もないのに「あなたの気配りできる性格は本当に素晴らしいと思います」なんて深くエグってこられたら「え?私のどこを見てそう思ったんだろう?」とズレてる褒めになりかねません。
褒めるは相手との関係の深さに、褒めて良い対象も連動します。
最初は「褒める」挨拶程度と認識しましょう。
実際にアメリカでは最初に「あなたの敵ではないですよ」という意味も込めて、持ち物を「いいですね、似合ってますよ」と挨拶として言っているくらいです。
2.身だしなみ・・・髪型、メイク、爪、肌つや、服の手入れ、小綺麗な部分
3.振る舞い、雰囲気・・・笑顔、声、姿勢、背筋、所作、歩き方、話し方、聞き方、電話の出方、受け答え方、メールの文章、性格
「笑顔が素敵ですね!」
「めっちゃいい声ですね!」
「〇〇さんって、とても話しやすいです」他にも和みます、雰囲気あります、落ち着きます、楽しいです。
「〇〇さんって面白いですね!」
「〇〇さんがいると、場の空気がよくなりますよね」
ジャンル2:行動を褒める
プライベートで使うことが多そうです。
1.日常のちょっとした些細なこと、してもらったことを褒める。
心の中で思ったことを口に出すことで初めて相手に伝わります。こんな些細なことで褒めてもらえると感動してしまいますよね。褒めるとまでいかなくても、共感する、認知する、認めてもらうでも良いのです。家族や友人の何気ない一言で報われた経験、あなたもありますよね。
「こんなことまでしてもらってありがとう」
「特別扱いありがとうございます」
「こんなところまで気がつくなんて感謝です」
「こんなに心配りできるなんて、感激してます」
2.いつも、当たり前のようにしてくれていること(行動)を褒める。
ご飯を作ってくれている、ゴミを出してくれる、子育てをしてくれる。資料を代わりに作ってくれる。データを入力してくれる。掃除してくれる。毎日やってもらっているけど、当たり前すぎて風景になっている行動があるはずです。
しかし、やり続けるって本当は当たり前じゃないですよね。3日坊主という言葉があるくらい人ってなかなか続かないのです。なので毎日やるって地味ですが、めちゃくちゃ大変ですよ。これが本当の行動力だと思いませんか。
取り立てて褒めずとも心のこもった「ありがとう」で伝えるのも褒めることになります。言葉にすることで100倍伝わります。
「いつも本当にありがとう」
「〇〇って毎日当たり前のようにしてるけど、毎日続けるってなかなかできないよ、だから有難いっていうんだろうね」
「いてくれてありがとう」
奥さんや旦那さん、子供や親、身近な家族にこそ伝える感謝こそ最高の褒め言葉ではないでしょうか?
3.挑戦や努力、やり切ったことを褒める。
誰だって、挑戦や努力してきたことが報われたいと思います。その気持ちに寄り添ってあげましょう。
特に社長や管理職、リーダーは部下の功績を認めましょう。
褒めるは心の報酬です。お金や地位以外の目に見えない報酬です。
大きな成功でなくとも、些細な成功でも褒める。むしろ褒める部分を見つけにいきましょう。
そして褒めるときは「目を見て、名前を呼び、心から褒める」
ちなみに失敗しときも、失敗も含めて、行動したことに意味があると褒めましょう。
ジャンル3:成長を褒める(過去と現在を比べる)
ビジネスシーンで使うことが多そうですね。
その人の過去と現在を比べて褒める。
ビフォーアフターで褒めて、その人の成長や変化、プロセス全体を褒める。
結果を褒めるのも良いのですが、そこに至ったプロセスに焦点を当てることで、より具体的な褒め方ができます。
そして、あくまで本人の過去と現在を比べるのであって、他の人と比べないこと。
「前から比べたら、凄くできるようになってるじゃん、すげーな」
「こんな短期間で、こんなにできるようになったの?ちょっと驚異的だなー」
「前ってこれしかできなかったよね。今ここまでできてるの?さすがだね!吸収力ハンパないね」
褒めの効果
人のモチベーションをアップさせる
人のやる気が出る
人に自信をつける
失敗を次に活かそうと思える
相手に思い通りの行動してもらいたいとき先に褒める
人が笑顔になる
空気をよくしたいときに褒める
会話のキッカケになる
相手との距離を詰める
冗談が言いやすくする
と、いろいろ効果がありますが「褒める」は会話で役立つテクニックでもあります。
「褒める」はコミュニケーションにおいて相手とのグッと距離を縮めることができる、魅力的なスキルです。
初対面で褒める。相手に敵意がないですよ、うまくやっていきましょうというシグナルを出せる。
褒めることによって、会話のキッカケにもなりつつ、お互い笑顔になったり、気分が良くなったりします。
コミュニケーションスキルが高い人はこの褒めるのテクニックを使うのが上手です。
相手を褒めて、褒めて、褒める。三回ぐらい褒めます。
僕は敵じゃないですよ、敵じゃないですよ、味方ですよ、仲間ですよ。
このように暗に伝えているのです。
そして心の距離が近づいてから、ちょっとディスる、そうするとこのディスるが本気で言っていると捉えられないのです。相手も冗談だとわかってディスっても笑いにつながります。
このディスるもどうでもいいことでディスる感じです。
オシャレなのに、飲んでるオレンジジュースがダサいとか
小綺麗にしているのに、座っているテーブルが汚いとか
その人に関連することや核心をつくようなことは言いません。
このように「褒める」は会話のテクニックとしても役立ちます。
積極的に取り入れましょう。
具体的な褒めフレーズ
便利な褒めフレーズ
いいですねー
さすが
すごい
素晴らしい
天才!
OKです!
お客さんや上司を褒める便利フレーズ
ビジネスシーンで使えそうな、とても良いフレーズが「大人の褒め言葉著」(者:西村貴好)に沢山載っていましたのでご紹介させていただきます。※ちょっとアレンジしているものもあります。
〇〇さんのアイデアから、閃いたんですけど、、、
〇〇さんのやり方をマネしたら「クオリティが高い」って褒められましたよ。
〇〇さんだったら、どうするかなって思う時あるんですよ。
〇〇さんのその言葉で、10年は頑張れます。
〇〇さんに褒められると、さらに気合が入ります。
〇〇さんに褒められると、他の人に褒めらるより桁違いに嬉しいです。
〇〇さんのお願いには「はい」か「YES」しか言わないことにしてますから。
〇〇さんって、黙っていても存在感ありますよね
〇〇さんって、名刺をいただくだけで、運気が上がりそうなお名前ですね
鋭いご質問ありがとうございます。さすがです。
女子を褒める便利フレーズ
女子を褒めるときは以下のブログでまとめてますので、ご興味あれば参考にして下さい。
さわりだけ、ご紹介しておきます。
・何食べたら、そんなに可愛くなるんだろう。
・ちょっと会わないと、すぐに可愛くなるからなぁ。
・ブーツが、いいですね!ローキックが強そう。
・透明感ある肌ですよね。サランラップを、ゆうに超えてますよ。
・バッグにトゲトゲがたくさんあって刺激的ですね。もしかして、ウィルキンソン入れてます?
注意点
ホメるときの注意点もあります。
基本的にはホメることにデメリットはないのですが、以下のような場合、ホメることが逆効果になりますので注意が必要です。
思ってもいないことを褒める
シリアスなシーンで思ってもみないことで褒めると、会話が浅くなります。
「たとえば?」とか「どこでそう思ったの?」なんて相手に聞き返してこられたら、最悪答えられないなんてことも考えられます。気まずいですよね。
冗談で褒める場合は良いのですが、本気で褒めるときは適当に思ってもみなことを褒めるのは控えましょう。
上目線で褒める
「もうちょっとで俺を越すところだったよ」
「すごい、あのミスされなければパーフェクトだったのに」
「初めてにしては、上出来だね」
こういう言い方です。
何様やねん!って思われてしまい、せっかくの「褒め」が台無しです。
フレーズやワードも気をつけたいのですが、むしろ言い方に現れます。
「自分のほうがすごいけどね」だったり「お前は認めないよ」という無言のセリフが行間から感じられますし、表情も朗らかでないので、言われた側は違和感を感じます。
認めたくないんだなぁとすぐにわかります。
そして「こいつキャパちっさ!」と思われてしまいます。
心から、褒めると言い方も相手を慮った言い方やトーンになりますので、言い方気をつけましょう。
見返りを求めて褒める
褒めると自分に返ってくるモノではあるのですが、最初からそれを狙って褒めると、自分がお返しに褒めてもらえなかった時に、気分が悪くなるでしょう。ともすると腹を立ててしますかもしれません。
確かにギブアンドテイクではありますが、それは結果的にそうなることが多いだけで、必ずお返しが保障されているわけではありません。
なので、自分が褒めて欲しいばかりに、相手を褒めてしまうと、褒めてくれなかった時のスカされた感が自分の中で大きくなってしまいますので、最初から期待するのではく、はなから帰ってこないモノだと割り切って褒めましょう。
まとめ
褒められて、悪い気する人っていないですよね。
「褒める」は万国共通でしかも大昔から言われている、有効なコミュニケーション術です。
人間関係に奇跡を起こす「褒める」は良い効果しかなさそうですね。使っていきましょう。
ちなみに「褒める」のは他人だけでなく、自分も褒めるのもOKなんです。
自分を褒めることで自己肯定感が上がりますし、自分の良いところの発見にもなります。
普段、自分で自分のことなんて褒めないと思いますので、これを機に自分を褒めてみましょう。
自分を褒めるトレーニング方法を3つご紹介します。
自分を褒めるトレーニング3つの方法
①過去に自分が褒められたことを、できる限り書き出して下さい。(制限時間3分)
②自分が言われて嬉しい褒め言葉を、できる限り書き出して下さい。(制限時間3分)
③自分へのプラスレビューを400字程度で書いてみましょう。(制限時間5分)
加えて褒めるトレーニングが3つあります。
合わせてやってみましょう。
④身近な誰かの行動を褒めてみましょう。
会話中にいきなり、気づいたことを褒めるのではなく、予行練習をする意味合いです。事前に誰かのことをイメージして予行練習で口に出しておくと、会話でサラッと褒めることができます。
⑤通行人を5人褒めましょう
街中を歩いている時、電車に乗っている時、目に入ってくる5人を褒めましょう。
実際に色々な人がいますし、色々なものを所持したり身につけています。
それを褒めましょう。
実際に褒めるときのよいトレーンングになります。
ちなみに、実際に声をかけて褒めてはダメですよ。
「急に何っ?誰っ?」って気持ち悪がられますからね。
⑥身近な「モノ」を褒めまてみましょう。
あなたの身の回りにある「モノ」を褒めます。スマホとか文具とかメガネとか鞄とかです。
他の人の持ち物を褒める時にも使えますので褒めフレーズがストックできますよ。
では。